ケイショウリャク

ディスるのディスはディスカッションのディス

“それ”がいる森

出だしはとてもよくて期待感を煽ってくれた。

でもすぐに席を立ちたくなった。

帰りたいと思いながらこども達のサッカー勝負とかを観ていて、『それ』の正体を突き止める?辺りで最後まで観ようと覚悟を決めた。

 

 

 

主役のお父さんの演技についてはもう私には判断のつかないところまできている。というか私の感覚が麻痺しているからなのか、思ってたより気にならなかった。くさいとは感じたけど、他の人も彼に合わせてくれていたのかさほど浮いているようには見えなかった。なので演技については特に思うことはない。

監督のおかげか、ホラー特有のゾクゾク感もあったし、登場人物と一緒になって「うわっ」となれるところも多々あって、演出?もよかったと思う。

問題はストーリーというか設定なのではと。

 

私がとても気になったのは学校の状態。

「3・4年生」のクラス人数が30名はいたと思う。そして終盤逃げ惑う生徒数も30名ほど、いや30名もいたかな。3・4年生しかいない小学校なのかもしれないので、人数と複式クラス体系は百歩譲ってまぁまぁ飲み込めた。でも登下校の様子だけはどうしても無理。

今どきバラバラで登校する学校なんてないのでは。田舎なんて特に、しかも複式学級にするほど過疎化しているなら尚更、登校班を組んで登下校する。一人で帰ろうものなら保護者の迎えが来るまで学校待機は絶対のはず。

ふくよか男子と息子が登校班から抜け出してランドセルを背負ったままうろうろなんて現実として有り得ない。しかも天源森は学校の真裏らしい。安全管理も警備体制もどうなってるの。

時間もよくわからないし、せめて今日が何曜日なのか教えてくれないと、なんで担任が一緒に捜索できるのかよくわからない。というか冬なの?なんなの?

冬なら暗くなるのが早いんだからいつまで経っても夕暮れなのはおかしいし、かと思えば急に夜になるし、夕飯としてシチュー食べてたけどまだ外は夕暮れ時だったよね。あれはなに?おやつだったの?

他にも、上記のこども2人がいなくなってるのにお父さんは全然焦ってないし(GPSはもっと早くに教えてもらえ)、いざ倒れてる息子を発見したらめっちゃ狼狽えてたし、その日の夜は念のため入院だろうに家の布団で寝かせてるし。

「学校から出るな」も、保護者もいないですることじゃない。そもそも保護者引き取りになるはずで、児童と教員だけで軟禁になることはない。気弱な町長を出すくらいなら校長先生を出せばいいと思う。

息子を一人家に残して夜中うろうろするお父さんもどうかしてる。突然いなくなった女の子のことを聞きつけたのかと思ったらたまたまここに来たという口振りだった。どうかしてる。

サッカー少年がみんなで犯人を捕まえようと言っていたときの、その後ろにいた女の子にもどかしさを感じた。「私も何か見た」と言うのかと思ったら終始押し黙ったまま。こどもは本当のことが言えないとでも云いたかったのかな?

最後の最後、東京に帰ってしまうのか尋ねた男の子がサッカー少年にしか見えなかった。息子みたいにバッチリ髪型が決まってないとみんな同じ顔に見える。

 

もっといっぱい言いたいことはある。枚挙に暇がないとはこのことをいうんだなぁ。

 

 

ノープ的な『それ』かと予想してたらプレデターだった。しかも日本人の潜在意識にあるイメージのままだったから、この作品はきっと日本版プレデター