ケイショウリャク

ディスるのディスはディスカッションのディス

ソロモンの偽証

テレビで放送されてるのを観た。

 

映画版を観てない私でも「あ、ここ、カットされてる…」ってわかるくらい粗い編集だった。

逆にカットしてなくてほぼあのままが劇場で放映されてたら駄作だと思う。

 

 


 

 

柏木くんの葬儀に、三中と違う中学の制服を着た男子が来ていたシーン。

あれは神原くんだったんだろうけど、そのことについて、誰も何も言ってない。

 

松子が車に轢かれたことについて。

大出くんに殺されたとか色々噂されてたけど、要は不慮の事故だったんだよね?

樹里ちゃんと言い争いになって、車が来ていることに気付かず飛び出していったところに………

車の運転手は捕まったの? 轢き逃げだったの? もし轢き逃げだったら、樹里ちゃんは運転手の顔見てないの?

テレビ版では結局解らず仕舞いだった。

 

大出くんの家が放火されたことについて。これが一番の謎。

後編で、学校内裁判に放火犯の弁護士が登場した。放火の打ち合わせの際に大出くんと会った、と証言した。

『大出勝氏と放火の打ち合わせをしに行ったら大出くんがいたので挨拶した。その挨拶は無視された。』

言い方は間違ってるかもしれないけど、こんなようなことを、弁護士は放火犯から聞いたと言っていた。

いやいやちょっと待て。大出勝氏って大出くんの父親だよね??

大出くんの名前を覚えてないけど大出くんが勝って名前ではないことは文脈から明らか。

もし私の聞き間違えで『大出勝氏の家を放火するための打ち合わせを(仲間内で)していたら大出くんに会った』だったら、それはそれでおかしい。これから放火する家のこどもに、ふつー挨拶するか?

“打ち合わせ”は確実に言っていたから、放火は単独犯じゃなかったのも明らか。単独なら打ち合わせじゃなく段取りって表現するはずだし。

どちらにせよ、放火は顔見知りの犯行だよね? 顔も知らない赤の他人に深夜に出会ったら挨拶なんかしないし、そんなことされたら大出くんは覚えてただろうし、そもそも家の自室にいた大出くんにどうしたら挨拶できるのか。

弁護士はこんな不自然な証言をしているのに誰も放火について突っ込んだ話をしない。

 

モリリンの隣人も謎。

なんでモリリンに嫌がらせするの? 夫の愛人、モリリンじゃないじゃん。夫と親しげに話したことあった?

髪の毛長かったのに、探偵の撮った写真ではショートになってたし。

柏木くんの呪いって騒いでたの、どうなったの?

 

ちょいちょい細かくカットされてるからか、時系列がわからなくなったときもあった。

死んだはずの柏木くんが突然出てくるから、藤野さんにも亡霊が視えてるの…?って変な勘繰りをさせられた。

提供バックが本編になってたのもどうかと思う。台詞が全く聞こえない。

 

映画って一分一秒も無駄なシーンなんてないと、私は思ってる。

映画が完成した時点で既にカットされてるシーンがあるんだよ。そのシーンが、無駄なものなのか、泣く泣くカットされたものなのか、私にはわからないけど、そういう編集を経て映画は出来上がるものなの。

だから物語の本筋に“全く”関わらないシーンはないと思ってる。

それなのに、テレビ版では更に場面カットされる。矛盾というか、謎な台詞やシーンが出てくるのは、当然だ。

それを踏まえた上で、私はテレビ版を観たつもりだった。

結果、撃沈。。。

劇場版をちゃんと観たいと思ったし、原作小説を読みたいと思った。

きっとこれがある種の販促なんだろうな…