ケイショウリャク

ディスるのディスはディスカッションのディス

聖の青春

22日に観た。

ぶっちゃけデスノートミュージアムが観たかった。

けど、その二つと真逆と言っても過言じゃない、また別の面白さがあって、自分の心がいかに荒んでいたかを思い知った(笑)

 

にわかのにわかである私がかなり楽しめたので、将棋ファンの方は見て損はないと思う。

現実の出来事をフィクションにしてるから、相違に拒否反応が出る人にはお薦めしないけども(笑)

 

 


 

 

ただただ、村山聖が死ぬまでの数年を、淡々と観ているような感じだった。

あからさまな展開や表立ったことはあまりないのに、村山たちの激しい感情が映像を通して見て取れた。

 

例えば、村山が癌の手術を受けないっていうシーンで、我儘を言う村山に母親は勝手にしろって出て行くんだけど、その後のシーンで村山が母親に「孫を見せてあげられなくてごめん」みたいな台詞を言ったことで、母親は息子がなぜあのとき我儘を言ったのかを初めて理解する。

将棋のことしか考えてないと思っていたけど、本当は自分のことを想っていたんだって気付く。

劇中では二人の心情に対してそんな説明はないんだけど、間や空気で観客はそれがわかる。

 

そういう意味でもちょいちょい差し込まれる風景が登場人物の思いを表しているように感じた。

でもちょっとしつこかったかなと。

村山と羽生さんが対決する直前?に飛んでいる鳥が情景として映し出されるんだけど、私にはその映像が必要だったのかよくわからなかった。

だったら将棋で戦ってるのをもっと映してほしかった。

 

あとは、羽生さんの業が深過ぎると思った(笑)

現実で先崎さんに話したらしいことを、映画では羽生さんに話す。

そのせいで羽生さんは、元々いろんなものを背負ってるのに、更に村山の思いを背負わされることになって…(※私がそう感じただけであって、そういう描写は一切ない)

最後、亡くなった村山に別れの挨拶をしに来たのにそのシーンがない(村山の母親が森にそう話しただけ)から、より一層妄想を駆り立たせるといいますかw

 

村山はヒロインだって東出が言ってて、まさにその通りだった(笑)

なんだかんだでみんなに愛されてその人生を全うできたから、映画の中での村山は(心残りはあるにせよ)幸せだったのかなって、私は思えた。

 

デスノとかミュージアムみたいな展開が好きな人には物足りなく感じるかもしれないけど、これはこれで面白かった!(というかたぶん、所謂映画評論家と云われる人が絶賛してる理由は、そういう部分にあると思う。)

闘病をテーマにしてるわけじゃないから押し付け感もないし、(将棋そのものを知ってるという前提はあるけども)そこまで将棋に詳しくなくても躓くようなことはない。

実在の人物をモデルにしたにしてはかけ離れ過ぎてるようなキャラクターもいるけど(笑)、これはフィクションなんだって思えば気にならないと思う(名前も違うし)。